私がクリスマションを受けた頃、兄のダンが一冊の草稿を送ってくれました。
タイトルは『最後の罪人』。
出版前の原稿でしたが、私は深く心を動かされました。
ダンは昔から少し“変わって”いました。
いや、むしろ霊的な真理のパイオニアのような存在でした。
夢。幻。静かな祈り。そして“あちら側”からの訪れ。
それは大げさなものではなく、静かで、深く、リアルなものでした。
その本の中には、ひとりの魂の物語が描かれていました。
罪を重ねた者ではなく——
ただ、自分を赦すことができなかった、普通のクリスチャン男性。
彼は地獄に“送られた”のではなく、自らそこにとどまっていたのです。
赦しが与えられていたにもかかわらず、それを受け取る勇気がなかった——
ただそれだけのことでした。
そこで、誰かが彼のもとに行きました。
救うというよりも、
彼の隠れ場所を見つけ、そばに寄り添い続けるという使命。
彼がついに、救い主のもとに戻る“勇気”を持てるまで。
その人を、ダンは『最後の罪人』と呼びました。
最も悪い者だったからではありません。
誰よりも遅く、“福音が本当かもしれない”と想像するに至った人だったからです。
この本は、私の中の何かを壊すようでいて、同時に救いました。
すべての答えが与えられたわけではありません。
でも私は、確信しました:
神の光は、裁きではなく——迎え入れだったのだと。